2009年6月3日水曜日

オーストラリアや世界の新型インフルエンザA(H1N1)感染者数の急増と世界的パンデミック化の可能性

 
 5月27日の午前中にオーストラリアの大型クルーズの乗船者等の感染拡大の記事(感染確認者数は当時50人)を書いたが、5月29日現地時間AEST午後6時現在の感染確認者数は168人と著しく急増している。
 一方、WHOがまとめた5月29日現在(グリニッジ標準時午前6時)で見ると世界53か国(48か国)で感染者数15,510人、死者99人である(5月27日時点では13,398人、死者95人)と比較しても、その拡大規模は引続き大きい。
 専門外の者がこれだけの数字でコメントすべきでないが、この数字の意味するところをわが国の国民はどのように解すべきなのか。また、後述するとおり、世界第三位の感染者数を出しているカナダの連邦政府関係機関の情報提供の内容を検証し、電子政府の内容比較の観点から考えてみる。
 なお、別途筆者なりに米国やEUの新ワクチンの研究・開発動向に関するレポートを作成中である。


1.オーストラリアの最新感染状況
 5月29日AEST(世界標準時(グリニッジ時)+10時間(日本は9時間) 午後6時現在)の州別確認感染者数を見ると8州のうち発生州は依然次の6州である(感染が確認されていないが疑いのある人数は今回は未公開である、集計自体出来ていないのかも知れない)。
・オーストラリア首都特別地域(ACT)3人(5月27日時点1人)
・ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW)48人(16人)
・クイーンズランド州(QLD)11人(7人)
・南オーストラリア州(SA)6人(2人)
・ビクトリア州(VIC)99人(5月30日未明に州政府の専門サイトでみると138名となっている)(23人)
・西オーストラリア州(WA)1人(1人)
なお、学校の閉鎖状況につきビクトリア州教育庁サイトでみると、公立学校21校全行で1~2人の感染者がでており、閉鎖校は5校(6月1日再開予定)、一方私立学校7校も1~2人の感染が確認されており、2校が閉鎖している。

2.WHOの統計に見る感染拡大
 5月29日現在で国別に見て増加傾向が続いている国が多い(括弧内は5月27日現在比増加数)。感染者確認数が100人以上の国を見ると、米国が感染者8,975人(+1,048):死者15人(+4)、メキシコ4,910人(+369):死者85人(+2)、カナダ1,118 人(+197):死者2人(+1):日本364人(+4) (筆者注1):死者0人、英国203人(+66):死者0人、オーストラリア147人(+108):死者0人、スペイン143人(+5):死者0人、パナマ107人(+31):死者0人

3.カナダに見る連邦政府関係機関の情報提供のあり方とH1N1感染情報提供の概観
 筆者は新型インフルエンザの感染拡大問題が発生する前から毎日、連邦政府機関である「連邦公安省(Public Safety Canada(PHAC);Sécurié publique Canada))」から送られてくる各種情報を分析していた(これが本職に近い仕事である)。
 同サイトは、サイバー犯罪(コンピュータ・ウイルス)やテロ情報、インフルエンザ情報、ハリケーン、渡航者の健康管理情報、地震情報、食物アレルギー情報、国際貿易取引情報などの連邦関係機関とリンクを張りつつリアルタイムの情報収集とその提供を行っている。5月29日に送られてきた情報(DIR09-103) を読むと分かるとおり、WHOの感染者数や死者数のリリースおよびカナダの公衆衛生庁(Public Health Agency of Canada:PHAC)の最新情報にリンクする。
 ところで、今回の新型インフルエンザの急増国であるカナダのPHACサイトを見たが、州(10)や準州(3)ごとの最新感染者数の地図、5月27日時点から29日までの各州・準州の感染者増加数のほか感染者の平均年齢(22歳以下)が説明されている。さらに特徴的な点は、グラフで日別の症状発生者数を入院者とその他に分けて表示している点である。このグラフによると感染者発症のピークは5月8日~11日にかけてであり、その後は急速に減少していることが読み取れる。
 わが国でこれに相当する専門情報サイトは国立感染症研究所感染症情報センター(IDSC)の「新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)」(筆者注2)であるが、日別の発生者数の傾向値は公表されていない。(筆者注3) しかし一方では総理大臣はテレビで「国身の皆さん、冷静に対応してください」のみである。正しくかつ迅速な情報提供が今求められているのではないか。

(筆者注1)6月2日現在の厚生労働省の発表ではさらに25人増え385人である。

(筆者注2)“IDSC”は確かに厚生労働省からリンクできるが、首相官邸からは直接リンクできない。また厚生労働省からの同センターへのリンクはまず「インフルエンザパンデミック」→「新型インフルエンザ(ブタインフルエンザA/H1N1)」へと再度リンク作業が必要となる。IDSCは専門サイトとはいえ、情報公開の徹底が国民の不安を軽減する手段と考えるがいかがか。

(筆者注3)筆者自身気が付いた時期は6月中旬であるが、“IDSC”サイトでは①2009年6月4日からの「発症日別報告数のグラフ」、②5月19日からの「日本の流行地図(都道府県別同確認件数)」を掲載し始めている。

〔参照URL〕
http://www.healthemergency.gov.au/internet/healthemergency/publishing.nsf/Content/0070BF69A1A93A41CA2575C00038EF5B/$File/Swine%20Update%206pm%2029%20May.pdf
http://www.who.int/csr/don/2009_05_29/en/index.html
http://www.phac-aspc.gc.ca/alert-alerte/swine-porcine/surveillance-eng.php

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