FBIの犯罪歴を含む生体情報データ・ベースは、FBIの「テロリスト監視センター(Terrorist Screening Center)」や「全米犯罪情報センター(重罪犯人、亡命者やテロの容疑者のマスター・データベース)National Crime Information Center:NCIC」の情報と相互に通知しあう方式をとっている。
FBIは英国、カナダ、オーストリアおよびニュージーランドの間で共有されている標準化に沿ってシステムを構築し始めている。
2007年、世界初でかつ最大規模の群集の中からいかに十分な顔貌認識を行うかにつき科学的な研究を行うと宣言したドイツ連邦政府であったが、十分な警察での使用は十分効果をあげていない。この研究は2006年10月から2007年1月の間にドイツのラインランド・プファルツ州の州都マインツの駅で毎日23,000人規模の旅行者を対象に行われた。ボランティアからなる登録データ・ベースに対し昼間の実験では60%の照合結果が得られたが、夜になるとその割合は10%~20%に大きく低下した。これらの割合を成功に導くためドイツ警察当局は無誤率を0.1又は1日当り23人の照合不能まで試験条件を緩和したと報告書は述べている。
照合精度の改善は技術の見直しにより可能であり、FBIの生体認証サービス課長のキンバリー・デル・グレコ(Kimberly Del Greco)は次世代データ・ベースでは指紋、虹彩および手のひら照合能力を2013年までに結合させる計画であると述べている。
またプライバシーの保護に関して、追跡記録は対象者たる各人が指紋データ・ベース記録にアクセスできるよう保管され、人々は自分の記録のコピーを請求でき、FBIによる監査は3年ごとにデータ・ベースにアクセスできるすべての機関に対し行うと述べている。
2.人権保護団体や技術専門家の次世代システムへの批判
米国の人権擁護団体(Electronic Privacy Foundation Center:EPIC)代表であるマルク・ローテンベルグ(Marc Rotenberg)は、関係機関のデータ・ベースの共有能力は問題であると指摘し、連邦機関に生体認証子のアクセスを認めることはますます不適切さを拡げることになると述べている。
2004年にEPICはFBIのNCICを記録の適切性を求める米国プライバシー法の適用除外とすること自体に反対した。またEPICは、2001年司法統計局がFBIの生体情報システムの情報に関し十二分な信頼性に欠け不完全性、不適切であると述べた点を引用している。この点に関し、FBIの幹部は予め何が適切で関係があり、時宜に合致し完全かを決定すること自体不可能であると反論している。
また、プライバシー擁護派は一般人がデータの修正能力を持たないことについて懸念を投げかけている。シリコンバレー先端技術予測家のポール・サフォ(Paul Saffo)はFBIが大規模な失敗によってコンピュータ技術に支えられた記録自体が台無しになってしまうことを懸念し、仮に誰かが虹彩イメージをぬすまれたりなりすまされた時、あなたは新しい眼球を得られますかと述べている。
〔参照URL〕
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/12/21/AR2007122102544.html
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