2008年10月13日月曜日
“EU加盟国におけるソーシャル・ネットワークキング(SNS)の成功と挑戦”等EUの取組み(その1)
(Summary in English)
“Social Networking Sites(SNS): Commissioner Reding stresses their economic and societal importance for Europe”
Viviane Reding , Commissioner for Information Society and Media, has gave a speech on Social Networking Sites by "Forum for a safe Internet Society" on September 26(It was held in Luxembourg).
Reding is elected by the committee of European Commission in 1999, and reappointed in 2004. She has gave her views extremely aggressively about the themes of " The problem and view of Ubiquitous society" that starts up the discussion in Japan , also on this forum gives her views from the summary and empirical a viewpoint about this problem to be able to do nothing but work without reference to age or sex on concrete data of each member states .
She is taking up the problem on the part of the shadow of SNS ,the influence on the youth and invasion of privacy by the online tracking etc.,and the European Network Information Security Agency(ENISA) that is official body concerning the information security of EU,has made public titled“Security Issues and Recommendations for Online Social Networks” to the politicians and financial businessmen in charge appropriating in the signatory in October of 2007.
Especially, child's protection problem through the Internet and the mobile phone that is a topic recently also in our country,I will take up the former from the viewpoint of serving as a reference in examining current analysis and measures of our country.
As for the light and the shadow of SNS of Europe and U.S. , it is reported September 28 by Tagui Ichikawa ,the representative New York's JETRO , it is analyzed accuracy and widely of this problem.
For strike the measure because of losing user's uneasiness, the person in charge of government and the business of SNS promotion in Japan should read these speech and report.
欧州委員会委員で情報・メデイア担当のヴィヴィアン・レディング氏(Viviane Reding)は、2008年9月26日に「より安全なインターネット社会のためのフォーラム(ルクセンブルグで開催)」でSNS(筆者1)に関する標題("Social Networking in Europe: success and challenges")のスピーチを行った。
1999年に欧州委員会の委員に選任され、2004年に再任されている女史であるが、わが国でも議論を呼んでいる「ユビキタス社会」の展望と課題について従来から極めて精力的に意見を述べている
レディング氏のスピーチ内容は、駐日欧州委員会代表部サイト等でも今後紹介されるであろうが、老若男女を問わず取組まざるを得ないこの問題につき加盟各国の具体的データに基づき総括的かつ実証的観点から意見を述べており(筆者注2)、その仮訳を試みた(項目立ては筆者の責任で行った)。
また、同女史が取り上げているSNSの影の部分(青少年への影響やオンライン追跡によるプライバシー侵害等)およびセキュリティ面の課題についてはEUの情報セキュリティに関する公的機関である欧州ネットワーク情報セキュリティ庁: (European Network and Information Security Agency;ENISA ) が加盟国の政財界責任者あてに2007年10月に「オンライン社会ネットワークに関する脆弱性・セキュリティ問題およびその解決への勧告書」(筆者注3)を公表している。特に最近ではインターネット・携帯電話を介した子供の保護問題がわが国でも話題になっていることから、わが国の現状の分析や対策を検討する上で参考になるとの観点から前者を取り上げた。
欧米におけるSNSの光と影についてはJETROニューヨーク駐在員の市川類氏のレポートが正確かつ幅広く分析されており、利用者の不安をなくすための施策を打つためにも、わが国の官民のSNS推進責任者はまず読むべきであろう。
なお、今回は原稿量が多いため4回に分けて掲載する。
1.はじめに
年齢確認(age verification)、メディア間の利用分類(cross-media classification)および子供によるオンライン技術とSNS(social networking sites)の利用の問題はこの数月以上我々の議論の種となろう。(筆者注4)
本日の話は、①SNSの持つ社会・経済現象をどのように考えるべきか、②娯楽や知識に関し社会および専門的な理由からSNSがEU市民にどのように使われているか、そして③どのように我々の生活を変えたか、さらに④若年層の日々の生活や将来を形成するうえでどのような貢献を果たしているかについて述べる。
2.EUのweb2.0市場についての概観
SNSはこの2、3年で非常に一般的なものとなった(筆者注5)。2007年にEUにおけるSNSユーザー人口は35%増加した。2007年EUのオンライン利用者の56%がSNSを訪れ、定期的ユーザー数は現在の4,120万人から4年後には1億740万になると予想されている。2007年英国では960万人が国のSNSのコミュニティに属し、フランスでは890万人、ドイツでは860万人という数字が出ている。フランスの視聴者は2008年5月だけで合計1億3,700万時間オンラインのビデオを見ており、また携帯電話の加入者のうち329万人が携帯電話でビデオを見ている。
Facebook、YoutubeやMySpaceといった米国に本拠地を置く知名度の高い企業と平行してEUの企業もこの分野で活躍している。フィンランドの“Habbo Hotel ”は8,000万の登録者数がいると主張している。英国の“Badoo” や“ Faceparty”は1,500万人のユーザーの会員資格の結合が行われている。ベルギーに本拠を置く“Netlog”は1,700万人、フランスの“Dailymotion”は1,100万人を数える状態である。オランダの“Hyves”、ドイツの“StudiVZ”、ブルガリアの“Aha.bg”、デンマークの“Arto.dk”、スペインの“Tuenti”、ポーランドの“Grono”等いずれも繁盛している。またこれらのリストには新しい役者が登場している。
まさに、それらは人脈と娯楽の範囲を広げるということであるが、我々はSNSがさらに更なる機能を果たすことを知っている。SNSは公的機関や専門機関にとって全体的に有益性がある。すなわち、SNSは働く専門家、子供、退職者および旅行者にとって各種サービスを提供する。参加者はネットワークを通じ、個人的な写真、会話、メデイアの娯楽を共有し、また社会や政治的生活の組織化するとともにまだ我々が計画したり想像しえないすべてのことを行っている。
今、私が述べた数字だけを考えるならSNSがEUの産業界にとって新たな経済的な可能性をもたらすことは否定しがたいといえよう。SNSの持つオープンな性格、インターネットの柔軟性、文化的多様性や高度な対話性、さらに異なる聴衆を企業や改革者が無視しえない環境に導くという事実である。実際、SNSの重要性を理解している企業の中には顧客サービスの改善のためにSNSを利用しているところもある。その結果、顧客は初めて製品改革やサービスの開発に本気で取組み、最終的に当該企業は顧客の忠誠心と更なる購買を獲得するのである。
(筆者注1)SNSは、欧米ではSNS(Social Networking Service/ Site)の略語。
(筆者注2)レディング氏のスピーチは、項目立てがないので筆者の責任で項目立てを行った。なお、レディングのスピーチ原稿の最後に事務局がまとめた資料“Social Networking Sites: Commissioner Reding stresses their economic and societal importance for Europe”のURLが紹介されている。本ブログ(その4完)の最後にあげておいた。併読されたい。
(筆者注3)残念ながらジェトロの市川氏のレポートは米国が中心であり、ENISAのポジションペーパーについては15項目の問題点と19項目の改善勧告を行っていると説明しているのみである。
(筆者注4)SNSにおける年齢確認については利用者が急速に伸びた2007年5月頃から問題となっているようである。
英国政府のブロードバンドのあり方に関し主導的役割を担っているBSG(Broadband Stakeholder Group)が2008年7月に「年齢確認、クロスメディア間の格付け分類およびオンラインSNS(Age Verification, Cross Media Rating and Classification,Online Social Networking)」 という5頁ものの報告書をまとめている。また、“Second Life”や“MySpace”において未成年者保護という観点から取り上げている。Second Lifeは18歳以上が自由な利用可能者であり13歳から17歳まで用には別途“Teen Second Life”を用意し、年齢確認のベータ版を2007年5月に開始している。平易な解説Q&A が用意されているので参考となろう。
(筆者注5)SNSが米国の一般人に極めて日常的に利用されている例としては、reuters等の大手メディア・サイトでも“Facebook”による情報・意見の共有というかたちで具体化している。
〔参照URL〕
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=SPEECH/08/465&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/08/587&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
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